
その頃は今のように美少女が主役のストーリー漫画的な4コマ漫画はほとんどなく、それが書籍化され店頭に並ぶのはマレ。コンビニの書籍コーナーには、いしいひさいちの『がんばれ!!タブチくん!!』(1979)とか植田まさしの『コボちゃん』(1982)が並んでましたが、起承転結のある昔ながらのもの。それが月刊OUT掲載の岩崎摂『MY HOMEギジェ』(1981)あたりから、起承転結で4コマでオチを付けなくてもいいんじゃない? なんとなく緩くストーリーが続いてもいいよね?というブレイクスルーがあり……というのが80年代前半。
時系列的にいうと、
植田まさし『かりあげクン』(1980)
芳井一味『ホイホイ白書』(1984)
相原コージ『コージ苑』(1985)
須賀原洋行『気分は形而上』(1986)
いがらしみきお『ぼのぼの』(1986)
田中圭一『ドクター秩父山』(1987)
喜国雅彦『傷だらけの天使たち』(1988)
吉田戦車『伝染るんです。』(1989)
という流れの中で、『ホイホイ白書』が当時目立っていたのは、登場する女の子キャラがやけにかわいかったんですよ。ここだけ特異点。美女でなくロリ少女。
ただ、一般の書店にはなかなか並んでいなくて、『がんばれ!!タブチくん!!』ならコンビニでも買えるのに、バイクで街の書店を飛び回って裏通りの小さなマニアックで薄暗い本屋さんで入手したのは良い思い出。
【ホイホイ白書】【芳井一味】【竹書房】