「なんのために、節約してると思ってんねん。金は見極めて、パァーっと使うもんや」普段はけちけちしていても、使い時には出費は惜しまないのが鴻蓮華の信条。
裕福な妃たちは、こぞってくぼみがたくさんある鉄板を買い求めた。庭で火を焚いてたこ焼きを回すのが一種のステータスとなっていたのだ。
それは新たな皇帝の即位によって後宮に呼び集められた数多の美姫、その１人である豪商鴻家の娘である蓮華の影響だ。彼女には、アラサー大阪マダムであった前世の記憶が蘇っていたのだ。
「なんか言いました？」
「お前が変だと言った」
「そら、どうも」
「褒めてはいない」
「ありがとさーん」
まず、表紙がいいよね！？
よくある後宮ものらしく美麗なイラストで美姫と帝が描かれているのに、よくよく見ると手にはコテとたこ焼きの皿が……。
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