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Channel: 付け焼き刃の覚え書き
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「淡海乃海 水面が揺れる時 十」 イスラーフィール

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「人は生きている以上恩や義理、面子から離れることは出来ぬ。それは身代の大小、男女の性別には関係が無いのだ。それを理解しておけ。余りに相手を踏み躙ると人の心が分からぬと思われることに成る。いずれはしっぺ返しが来る」
 朽木基綱は長子・弥五郎に説き聞かす。

 あの織田家でさえ家督相続で揺れ動き、朽木に喰われてしまった。毛利とて前当主亡き後は精彩に欠けている。
 天下を取ろうとすれば、生半可な者へは家督は譲れない。堅綱も並の大名なら家督を継ぐにふさわしい器量と実績があるが、今の朽木を継ぐにはまだ足りないのだ。
 朽木基綱は、美濃攻略から帰参したばかりの息子・堅綱に関東出兵を命じた。元織田家家臣を率い、徳川を討てと……。

 獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすと言いますが、天下取りを目指す戦国武将はそこからさらに岩を投げ込むのです。
 さて、美濃から尾張にかけて諸家の興亡が語られる10巻ですが、一方、越後では景勝の関東出兵の隙を突いて蘆名が攻め込んでいます……の顛末、巻頭のカラー口絵で大きく描かれているのに本編では軽くスルー。竹姫はーー?

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