「おやかた！ 空から不審者が！」精霊の森で守護者を務める魔女のリタの日課は、自分の日常生活の様子を「配信魔法」を使って地球の視聴者に向けて配信すること。カメラやインターネット回線が通じていなくても、異世界転生者である師匠が精霊から手に入れた魔法なら時空を超えたネット配信は可能なのだ。
そもそも、その師匠は元の世界に戻りたくて配信魔法を手に入れ、配信者を弟子のリタに引き継がせて引退したのだが、彼女はついに無数の世界の中から地球の座標を特定することに成功してしまったのだ。
「今から地球に行きます」
異世界と地球を繋ぐ転移魔法を作り上げたリタは、そう宣言するとあっさり地球に到来。視聴者と安価で意見募集しながら、現代日本で美味しいものを食べ歩き始めた……。
ここ数年増えてる配信者モノは、当初の宇宙人とか魔王とか「ちょっとヘンなキャラが配信者になる」一点だけを売りにしたものが多かったところから、アイドル・芸能ものバリエーション要素が強くなりました。キャラの個性頼りの配信内容だけメインに書いていても、深夜のラジオ番組の書きおこしみたいなものにしかならないので、その配信の背後の物語をどれだけ語るかが個性です。
最近とみに増えているのは、主人公がダンジョンを攻略しながら配信するもので、ウェブではやたら「高校のクラスメイトに殺されそうになった主人公が逆襲して殺し回る様子が配信」とか「神様に異世界に連れ去られて放り出され、その行動すべてが地球でライブ中継される」とか「ダンジョンで苦境に陥っていたアイドル配信者を助けてしまう」とか増えましたね。ダンジョン中継ものみたいな作品は以前からありましたけど、「現代日本で配信しながらダンジョン攻略」が一過性のものかどうか見守りたいです。それだけ「配信者もの」ジャンルが定着しつつあるんだという気もします。
さて、『異世界魔女の配信生活』はさらにもうひとつひねって、通信魔法で異世界から現代日本に配信して、投げ銭替わりにお菓子を投げてもらうという作品。そこからさらに、異世界と現代日本を行き来して……という、異世界冒険と異世界人の現代日本グルメ旅をミックスした展開に。
まさに配信者もの×グルメものという、今の定番２ジャンルのリミックスです。
【異世界魔女の配信生活～いなくなった師匠が残していったものは地球に繋がる通信魔法でした。師匠の真似をして配信してお菓子をもらいます～】【龍翠】【ねむりねむ】【ＢＫブックス】【異世界と地球を結ぶ、異世界魔女による前代未聞の配信コメディー】【小説家になろう】【カレーライス】【餃子】【タコ焼き】【お好み焼き】【Ｓランク冒険者】