
辺境の農家の末っ子ではいつまで家に出ても下働き。不作になったら売り飛ばされるのが関の山と、知り合いの行商人に頼んで町へ単身で稼ぎに出た9歳の少年キリだが、文字が読めたのが幸い。行商人に働き口を紹介してもらうどころか奴隷商に売り飛ばされそうだと気がついて逃げ延びたキリがたどり着いたのは港町にある冒険者の店「暴れケルピーの尾びれ亭」だった。
もう、冒険者にでもならないと食っていけないと考えたキリだったが、冒険者ギルドは12歳からしか加入できなかった……。
田舎から出てきた普通の少年が、一癖も二癖もある冒険者たちに見守られながらなんとか食べていけるだけ成長していく物語で、無駄に派手なところのない、地に足のついた少年の成長譚。いきなりスキルに覚醒して無双するとか、意思を持つアイテムやモンスターに助けられちゃうとか、前世記憶で一攫千金とかとかならず、地道に薬草採取が続きます。でも、これが奥が深いんだ。
『ゴブリンスレイヤー』と同様、たかがゴブリンといいつつ、死んでも生き返ることのできない普通の人間にとっては十分脅威なのです。まして老人や9歳の少年にとっては。
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