
それがジグからシアーシャへのアドバイス。
その大陸には、もはや生き残っている魔女は多くない。人の姿でありながら、超常の力を振るう魔女は人々から恐怖の象徴として恐れられており、ほとんどはひっそりと暮らしているのだが、ときおり威信を高めようとか名声を得ようとか魔女討伐を言い出す王や領主が出現し、そういうときはたいてい魔女の生死はともかく辺り一面焼け野原になるのが相場だ。
今回も相続争いで優位に立ちたい領主の息子が魔女討伐軍を立ち上げ、案の定、バカ息子以下全滅するはめに陥ったのだが、如才なく立ち回って何とか生き残り、魔女を追い詰めることに成功した傭兵のジグに、魔女シアーシャは誰にも追われない場所まで連れて行って欲しいと依頼した……。
報奨金を支払うべき依頼主が死んだので次の依頼主に乗り換えた傭兵と、その気になったら国の1つや2つ滅ぼせそうな力はあるけれど世慣れていない魔女の新大陸道中記。この大陸にはもう居場所がないよと、隣にあるらしい未知の新大陸を探検しようという船団に潜り込んだものの、あちらは未だに魔獣が跋扈する世界。2人以外の探検隊はあっという間に全滅するけれど、そこはそれで普通に適応した人々が暮らしている……いわゆる剣と魔法の世界でしたという物語です。
現代日本人が異世界に行くのではなく、異世界の男女がまた少し常識の違う世界に紛れ込もうとこっそりしようとしながら、ついつい耳目を集めてしまうところがポイント。ちょっと変わったバディものとしても楽しめましたです。
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