
坂上犬養はその死に際して、孫である田村麻呂に仏に感謝しなさいと言い残した。だが、その暗黒面には注意しろとも。
犯罪者が跋扈するアメリカの大都市ゴッタマシティの黒人警官、マール・タムラはギャングに襲撃され死んだ。
彼は無神論者ではあったけれど、祖母が仏教徒だったご縁でブッダくんのフレンドのゴッドさんが転生させてくれることとなった。
太古の日本、奈良時代の日本で、武官である貴族の家に生まれ変わったマールは田村麻呂と名付けられたが、とにもかくにも彼はアメリカ人の警官に過ぎなかった。天平宝字ン年とか言われてもいつか分からない。地名も歴史も分からない。料理だってコーンフレークに牛乳をかけるくらいしかできなかった……。
坂上田村麻呂=黒人説をベースに展開する古代日本転生譚。陽気な黒人警官のライフスタイルを変えないまま、貴族として生き、東北の蝦夷討伐に出征していく物語で全1巻。
面白そうなタイトルに手は取ったけれど、他にも買う本がいっぱいあったので棚に戻そうとしたところで、大好きだった『異世界から帰ったら江戸なのである』の左高例の新作だと気がついて真っ先に購入。真面目と不真面目、シリアスとパロディのさじ加減が相変わらず絶妙に巧く、ツボにはまって大笑い。
続編、読みたいなー。
【BLACK TO THE FUTURE】【坂上田村麻呂伝】【左高例】【八つ森佳】【エンターブレイン】【史上空前のオルタブ系歴史小説】【インブラ】【征夷大将軍】【フライドチキン】【蓮池】【夜這い】【ボクっ子】【鈴華御前】