
「どうして開けてしまったの!?」
ランク落ちして所属していた大手アライアンス(パーティ連合)をクビになってしまったロノムだが、それも上司の都合で専門外の仕事や雑用ばかり押しつけられていたせいだ。そんなロノムが飲み友達のゲンさんに愚痴っていたら、それくらいなら新しいチームを自分で立ち上げてしまえとけしかけられてしまう。
酒の上での戯れ言と思っていたら、ゲンさんの義娘のメルティラやエルフのアイリスやらチームとの折り合いが悪くて無所属状態のメンバーが集まり、あれよあれよという間にチーム結成が既成事実となっていく……。
パワハラで追い出された男が実は元の組織を根底で支えていて、しがらみから抜け出すことで周囲に実力を認めさせていく、いわゆる「追放もの」の王道ストーリー。手堅く面白いので、このジャンルの代表作と言いたい1冊。
自分はよく「ラノベの多くはサラリーマン夢小説」みたいなものだというけれど、これもその1つ。追放ものの基本パターンってのは、つまり「裏方スタッフを軽視していた巨大組織が凋落し、代わりに独立した小回りの利く新興企業が隆盛していく」というビジネス小説の王道展開でもあるのですね。専門外の部署に転属させた社員を不当に低く評価し、作業の事前評価や書類作成といった事務作業を軽視する大企業の崩壊していく様は、ビジネス雑誌お得意の戦国武将から現代ビジネスを切る記事より有意義だと思います。
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