異世界転生ものの元祖的ポジション、『無職転生』がついに完結。そのスペシャルブックという体裁で、作中年表やらメッセージ集、書店販売時の特典ミニストーリーの再録とかインタビューなどがぎっしり詰め込まれています。シリーズ年表はウェブ連載が何年何月に連載開始して書籍何巻は何日発売、コミカライズは何年から……という重箱の隅をつつくとこから開幕。
作中年表は混沌の時代は１万年前で第一次人魔大戦は7000年前というあたりから、ルーデウス、ロキシー、シルフィ、エリスがそれぞれいつ生まれ、何をして死んだかまでしっかりまとめて、物語の全体像を把握します。
完結お祝いメッセージは担当イラストレイターやコミカライズ担当マンガ家、さらにはＴＶアニメスタッフに歴代編集者、ラノベ作家やマンガ家などクリエーター、果てはブックデザインや校正担当さんまでメッセージを寄せられてます。イラストの指定から装丁まで気合いの入った本造りだと思ってましたが、読むと歴代編集者の言葉がまさに作品のツボを押さえた講評になっていて、さすがだなあと裏方の気合いを見せつけられました。
完結お祝い寄稿はコミカライズ連載中の作家陣による描き下ろし漫画。
ショートストーリーズは未発表１編に、残りは特典小説の再録ですけど、コミックとかドラマＣＤだけではなく、台湾版のおまけまで含めたショートストーリー計38編。さらに書き下ろしで後日譚「フィットア城 落成式」が掲載。
最後はロングインタビューで、連載当時の思い出とか制作秘話やらたっぷり。
分量的には短編集が大半だけれど、作家陣からのコメントは誰が誰の影響を受けたかの証言録だし、編集者がどんな取り組みをしてたかとか、イラストの打ち合わせのやり方とか仕事っぷりが伝わる出来です。買って損のない１冊でした。
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