
新人パイロットとして着任した英国貴族、サー・ジェイムズ・マッキバーは早々に基地の面々から腕前をチェックされてげんなりとしている。
愛する妻を失った若き子爵令息、樺島直幸を日本に引き留めるものは何もなかった。まだ乳飲み子の息子を置き去りに欧州へ渡った樺島は、おりしも勃発していた世界大戦に英国の義勇パイロットとして参加。英国王立航空隊第7義勇飛行大隊、ひと癖もふた癖もある連中ばかりを集めた空の傭兵部隊、“はみだし飛行大隊”の一員としてドイツ空軍と闘い続けていた。
まだ黎明期である航空機の開発は試行錯誤の連続であり、はみだし飛行大隊には新鋭機が次々に送り込まれ、義勇兵はそれらを駆って敵と戦い、敵を討ち、討たれを繰り返している……。
第一次大戦に義勇兵として参戦し、はみだし者ばかりの傭兵部隊で戦うことになった日本人パイロットを主役にしたミリタリー冒険小説です。著者曰く、『装甲騎兵ボトムズ』のキリコのような虚無的な主人公が、『機動戦士ガンダム』のモビルスーツの感覚で当時最新鋭のハイテク兵器である複葉機を駆る、第一次大戦版の『エリア88』のような話。
複葉機の開発史、航空戦の変遷を交え、吉岡節で語られる戦場ロマンです。
【修羅の大空】【吉岡平】【富本たつや】【ソノラマ文庫】【修羅の日々を生きる若き撃墜王の物語】