Quantcast
Channel: 付け焼き刃の覚え書き
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3193

「君と漕ぐ」 武田綾乃

$
0
0
「少しってのがポイントね。人生の上手くいく秘訣はなんでもそう。少し頑張る。少し贅沢する。少し苦労して、少し楽しむ」
 たくさんだと疲れるからなんでもほどほどが良いと黒部舞奈の祖母はいう。

  両親の離婚で父親の実家に引っ越してきた高校1年生の舞奈は、近所の川でカヌーを操る美少女に出会う。その少女、恵梨香と学校も学年も同じと知った舞奈は、彼女を誘ってながとろ高校カヌー部に入部するのだが、舞奈はもちろん、巧みにカヌーを操る恵梨香すらクラブチームの経験はないという。彼女にとってカヌーは1人で楽しむもの、競ったりするという発想がなかったのだ……。

 陽キャなのに家庭内が落ちつかずスマホを持たない舞奈。カヌーの上級者なのに人づきあいが苦手な恵梨香。彼女らの上級生で、かつてはペアでオリンピックすら夢ではないと言われていたのに成長期で伸び悩み、すれ違い始めている希衣と千帆。この4人を中心にした部活小説。つまり群像劇。作者は『響け! ユーフォニアム』の人ですね。
 好きなキャラは檜原先生。最初はやる気がないのか分からない人でしたが、本当に大事なところでは「誰かの好きが潰されそうになったときは守れる大人になりたかった」と締めてくれます。カヌーは全然わからないけれど。

【君と漕ぐ~ながとろ高校カヌー部~】【武田綾乃】【おとないちあき】【新潮文庫NEXT】【水しぶき眩しい青春部活小説】【不登校】

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3193

Trending Articles