
聖女のその言葉の意味をクノンはまだ知らない。
魔術都市ディラシックにヒューグリア王国の第9王女、クノンの婚約者ミリカが来訪した。クノンが学園に入学して以来だから、おおよそ1年半ぶりの再会だ。お互いに抱き合って再会を喜んだのも束の間、師匠ゼオンリーと魔術談義に夢中になるクノンに思うことがないでもないミリカだが、彼女にはこの街に来てやるべきことがあった。
侍女のリンコに聖教国の聖女レイエス、帝国の大貴族の娘で後輩のセララフィラ、数え上げていけばクノンの「仲の良い女の子」は本人曰く23人いるらしい。それらを1人1人調べ上げ、牽制しておかねばならないのだ。もう手遅れかもしれないけど……。
女の子とみれば片っ端から声をかけるナンパ男に婚約者がいたのか!?とみんな驚く回。ミリカの決意に奮起し聖女の研究に触発されたクノンは、ようやく造魔学に手をつけようとしますが、そちらも一筋縄ではいかないジャンル。クノンらしい発想で挑むことになります。一方、ゼオンリーとの再会のついでに、街中のオーガの謎に挑もうとして結果的に師匠の過去の悪行が明らかになります。
今回も聖女の壊れっぷりに注目。純情にして軟派なクノンのおかしさとは逆ベクトルですが、無感情・無表情なまま植物だけを愛する聖女が、今度は土地に執着し出すのが良い味です。
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