「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(上)」 ピーター・トライアス
「人間はそれぞれ1個の宇宙を持っているということだ。体内に血球をめぐらせ、臓器を動かす神だ。この宇宙は、無限にあるなかの1個の個性的な宇宙だ」 電卓バレーの暗黒街のボス、工匠の言葉。 第二次大戦はいち早く核兵器と巨大ロボット兵器を投入した日独の枢軸側勝利で終わった。そして40年。アメリカ西海岸は日本の統治下にあって日本合衆国(USJ)と呼ばれている。...
View Article「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(下)」 ピーター・トライアス
「名誉なんぞ、気分ようなるための言葉遊びや」 人と動物のちがいは名誉のあるなしだという石村紅功に対して久地樂は反論する。 密かに人々の間で流行しているのは先の大戦で日独が負けた改変歴史世界を舞台とするゲーム〈USA〉で、これがアメリカ人抵抗組織のプロパガンダ工作に利用されているのだが、これを開発したのが所在不明の六浦賀将軍らしい。...
View Article「新戦艦〈大和〉 死闘編」 林譲治
タイトルに反して戦艦大和の活躍ではなく、システム設計、組織論で話が動く新戦艦シリーズの2冊目。 真珠湾攻撃は成功した。 しかし、第三次攻撃の合間に反撃を受け、空母〈赤城〉は沈没した。本来だったら回避できていたかもしれないが、〈赤城〉の電探が故障しており、それに気づいていた他艦が何の対応もしていなかったからだ。...
View Article「武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行9」 赤石赫々
「あのね! お姉ちゃんが出来た!」 『大血晶』の情報を求め、魔人の国ネヴァケーを訪れたスラヴァ一行。しかし、強い相手とみれば腕試しをしたくて堪らなくなる魔人たちを相手のケンカばかりで探索はなかなか進まない。 そんな彼らの前に立ちふさがったのは、全員が血晶を使用しつつも自我を保っている異様な一団、エソドの行者だった……。...
View Article「コップクラフト6」 賀東招二
サンテレサ市に市長選挙のシーズンが到来した。 しかし最有力候補は異世界レト・セマーニよりの住人に対して差別的な言動で知られていて、異世界人の騎士ティラナとコンビを組む地球人の刑事マトバとしても少し面白くない。 ところが対立する有力候補がセマーニからの移民と思われる犯人によって射殺され……。 異世界と地球世界との玄関口にある湾岸都市を舞台にした銃と魔術のポリスアクション。...
View Article「撫物語」 西尾維新
「大丈夫なのよ、撫子ちゃん。将来、自分がどうなってしまうのか不安なままでも、生きてさえいれば、大人にくらいはなれるから」 いつの間にか、すっかり灰汁が抜けた様に見える、老倉育が千石撫子に語った。 千石撫子はあいかわらず引き篭もりだった。...
View Article「d design travel AICHI Perfect」 D&DEPARTMENT PROJECT
観光・飲食・買物・喫茶・宿泊・人物の6つのカテゴリーに分け、その土地らしい定番デザインという視点から紹介していくトラベルガイド、その愛知編。 こういう視点でまとめられている本は珍しく、面白いねえと地元民で回覧。「本音でお薦めしたい料理」で名古屋メシを挙げずに、味仙の青菜炒めが筆頭に来るあたり、分かってるな!という感じです。あと、ときどき寄る覚王山のチーズバーガーが載っているのも地味に嬉しい。...
View Article「喪われた巨大戦艦」 ヴォーン・ヘプナー
「人生に危険はつきものだ。中尉、持ち札にしたがってプレイするしかない。好きなときに好きな札を切れるわけではない」 マドックス大尉のバレリー中尉への言葉。 人類文明圏は突如として謎の敵の攻撃を受けた。...
View Article「邪神アトランダム」 北瀬野ゆなき
正光教の法王がまたやらかした。魔族に対抗するために、異世界から勇者を一方通行で呼び寄せようとしたのだ。 ところが、そんな面白いことを邪神が見逃すはずもなく、本来召喚されるはずだった者と平凡な日本人高校生・志藤玲治をすり替え、なんでもかんでもアトランダムに発現する予測不可能なスキルを与えて送り込んだのだ。...
View Article「アーサー王宮廷のヤンキー」 マーク・トゥウェイン
ウォーリック城を見学し、円卓騎士の時代の甲冑などを眺めていたマーク・トゥウェインは、1人のアメリカ人と知り合った。 コネティカット生まれのヤンキーで元技師だと名乗るその男は、自分はアーサー王の宮廷にいたことがあると語り始めた。 工場の部下にぶん殴られ、気がついたときにはキャメロット近くの樫の木の下に転がっていて、通りすがりの騎士に捕まったというのだ……。...
View Article「蘇りの魔王5」 丘野優
武闘会もついに決着。 しかし、表彰式の会場に聖女の送り込んだ古代竜が出現する。大暴れする古代竜から国王や他の参加者、逃げられない観客らを守ながら戦う危なげなく戦うルルの姿に、古族(エルフ)の長老ロットスは魔導師の姿を見た。 魔術師ではない。魔を導く者だと……。 ついに武闘会編も決着。誰もが疑いながら、ついに尻尾をつかめなかった聖女にひと泡吹かせることに成功します。...
View Article「俺の転移した異世界がクソゲー年間大賞」 小山タケル
「これはゲームであって、遊びである」 当たり前の言葉なんだけれど、帯のこのあおり文句を見たせいで、たぶんこの話は自分に合わないだろうなあという予感があったにもかかわらず購入。 遊びは真剣にやらなきゃ。 元ゲーオタの嘉凪爽太はトラック事故に巻き込まれて異世界転生を果たした。 そこはマジックショップで普通のゲーム機が売っている世界。あふれる魔法技術が娯楽につぎ込まれていたのだ。...
View Article「むいむいたん」 無為無策の雪ノ葉
目が覚めたら芋虫になっていた。 糸が吐ける。魔法もあるらしい。現状確認しながらむしゃむしゃ葉っぱを食べていたら、近くの葉っぱにいた別の芋虫が通りすがりの冒険者パーティーにちょっかいを出して真っ二つに。 こりゃ真面目にやらないと生き残れないと、巨大な樹の幹をえっちらおっちら登り始めるのだが……。 イモムシに転生しちゃった男が冒険者として異世界で(いろんな意味で)成長していく冒険譚。...
View Article「深き森は悪魔のにおい」 キリル・ボンフィリオリ
「学生さんはビールを飲み、ボートを漕ぎ、本を読んでいるべきです。卒業すればそんなセックスに使う時間なんていくらだってあるんですからね」 スコーン・カレッジの食料品貯蔵室の用度係のヘンリーの言葉。 70年代末から80年代にかけてサンリオSF文庫なるものが刊行されていました。...
View Article「ロード・マークス」 ロジャー・ゼラズニィ
レッド・ドラキーン老人(仮称)は青いピックアップ・トラックで〈道〉を走る。積み荷はブローニング自動ライフルに手投げ弾、M1ライフルと武器がどっさり。彼はマラトンの戦いでギリシア軍が勝つと信じて、時間を貫通するハイウェイ<道>を使って紀元前490年への武器密輸を謀っていたのだ。...
View Article「人狼への転生、魔王の副官5」 漂月
「死神は例外を作らない」 『冷たいミーチャ』の物語が語り継がれるロルムンド帝国は、その統一過程も苛烈だ。敵は完全に根絶やし、降伏していても全員農奴にして文化も宗教も微塵も残さない。それが帝国スタイルなのだ。 エレオラを敗って南北統一を成し遂げ、ミラルディア十七都市連邦を立ち上げた魔王軍だが、北の帝国を放置するのも危険だ。...
View Article「救わなきゃダメですか?異世界4」 青山有
ミチナガの指揮する部隊「チェックメイト」はラウラ姫というカードを手に、ルウェリン伯爵との関係を強化していく。迷宮を攻略しなければいけないのだろうが、まずこの状況を何とかしないと話にならないのだ。 ミチナガたちは神器や使役獣などを確保して戦力を強化しつつ、邪魔な味方は陥れ、因縁の敵は叩きつぶし、この世界に更に深く入り込んでいく……。 ウィンディーネがいきなり脳キンという回。...
View Article「10年ごしの引きニートを辞めて外出したら (2)」 坂東太郎
開拓の許可も得て、家の周りの農地を拡げようとした矢先、ゴブリンの大群に襲われてしまったのだ。上位種のゴブリンが率いているらしく、統率された動きでユージのささやかな開拓地はモンスターに包囲されてしまう。 掲示板の助言もあり、ユージやヨーコも戦場に立つのだが、ゴブリンやオークの数は多く、しかも狡猾だった……。 完結したウェブ版だと第9章あたりまでに相当して、全体の1/3をちょっと超えたくらい。...
View Article「武姫の後宮物語2」 筧千里
後宮で日夜肉体の鍛錬に明け暮れるヘレナのもとに、弟子入り志願のちょっと変なのがやってきた。やはり後宮の姫君の一人であるフランソワだ。来る者は拒まずで稽古をつけ始めたヘレナだが、教える相手が少しずつ増えていく。後宮なのに。 そこに後宮警備の増員が行われ、女騎士の一団が配属されることとなった。...
View Article「エレメンタル・ローズ」 芝村裕吏
「ゲームというものは、選択すること、選ぶことだ」 エレメンタル・ローズ開発者の遺児、宮林忠義の言葉。 AR(仮想現実)を取り入れた位置情報ゲーム「エレメンタル・ローズ」は、火土水風の4つのエレメントをそれぞれ属性とした陣営に分かれて拠点争奪をするゲームで、国内400万人のユーザーを誇る大規模なものだ。...
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